続・ひとりがさみしいなら
「あ、あかり!」

オレはいつものように、帰りに駅であかりを待った。

今日は・・・ケントと一緒じゃなかった。


「あかり?
今日はケントと一緒じゃないのか?」


オレはなんとなく聞いてみた。

あかりは表情を変えずに、真っ赤な困った顔してうつむいてる。


「あかり・・・?
ケントとなんかあったのか・・・?」


もしかして、喧嘩とか・・・?

そうだったらオレは嬉しいけど・・・。

あかりは黙ったまま動かない。


そのまま5分くらい経過すると、雨が降り出した。


「雨だ・・・
あかり、濡れるからとりあえずそこの喫茶店入ろう」


オレはあかりの腕を引っ張り、喫茶店に入った。



「あかり・・・なんか言ってくんねぇとわかんねぇよ。
言いたくない、つらいって事はわかってる・・・。
でも言ってくんねぇとオレにはどうすることもできねぇ・・・」



オレはそう言った。

あかりに相談してほしかったから。

いつもオレばっか相談して。

なぐさめてもらって。

今度は、オレが返す番だ。
< 8 / 30 >

この作品をシェア

pagetop