だいすき

―………―

「知り合いなんて知らなかったし!ってか俺に言えよ!」

「ごめんね…」


頭がいっぱいいっぱいで話が出来ない…


「真美??どしたの?キス見られたのがイヤだった??」


そうだよ…


でも言えない…


「ううん!そんな事ない!あたし、今日塾で、頭がいっぱいいっぱいなの」

「そっか。なんかあったら俺に言えよ???」


そう言ってキスをしてくれる敦也。


心配かけっちゃってるんだね。


相変わらず優しい敦也。あたしの好きな敦也。


「うん!ありがとね!!!」


でも何でだろう。


いつものキスなのに、今のキスは全然『愛』を感じなかった。


「俺、真美の事すげー好き」


でもこの言葉はすごい嬉しいんだ…


「あたしも大好きだよ」


この言葉はウソであって、ウソじゃない。


だって…ホラ、敦也が笑ってくれると、心がドキドキするんだよ。


きっと今さっき『愛』を感じなかったのは、『キスを見られたから。』


それで頭がパニックになって、キスの味が分からなかっただけ。


ただそれだけ…






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