フレテ
…柚の震える体を強く抱きしめた
俺の腕の中でも震えているのには変わりなかったけど
そう、柚と初めてしゃべったあの時みたいな
初めてフレたあの日みたいな
「…桐…ッ」
…でもあの日とは違った
完全に嫌がって拒んでるわけじゃない
今、俺の腕の中にいる柚は
怖がってはいるようで震えは止まっていなかったけど
柚の片手は俺の背中をつかんでいた
…なぁ、俺なんか柚の役にたてた?
俺、多分なんでも出来るよ、柚のためなら
また笑ってくれる?
どうか離れていかないで?
俺が…俺が絶対…