フレテ
多分、これから先触れることはないであろう柚
触れたら壊れてしまいそうで
手が震えた
「・・・・・・・好きだ」
好きだ
好きだ
好きだ
どうしようもないくらい
俺の手で触れて柚を壊したいくらい
だから駄目だったんだ
これ以上一緒にいることなんて
俺は俺に自信がなかった
別れを選んだのは俺自身のためでもあったんだ
これ以上一緒にいたら
だいすきな柚を俺のこの手で
壊してしまいそうだったから
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