「いやだ!!梓おねえちゃんいなくなっちゃうの?!いやだぁぁぁ!!」

「優里!!落ち着きなさい!!」

「いやだ!目を開けてよ!また話してよ!起きてよ!!」

僕は大きな声で泣き叫んだ。「いやだ」といいながら。

その時

「・・・・かないで・・・」

「え・・・・?」

「・・・なか・・・ないで」

ゆっくりと梓さんは口を動かして言った。

「梓おねえちゃん!!僕・・・僕・・・ごめんなさい!」

「わたしも・・・・悪・・・・かった・・・・ご・・・めん・・・ね・・・・?」

これが最初で最後のケンカだった。あれから梓さんはしばらく入院して、無事退院できた。

でも・・・・今は・・・・ここには居なくてあのレストランもない・・・・。

「梓・・・・さん・・・・」

僕の目から一滴の涙が流れた。
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