「あ、ありがとうございますっ!」

その優しい声の子の顔を見てびっくりした。

「梓さん・・・・?」

梓さんの中1の時に似ていた。
髪が短かったあの頃の梓さんに。
髪が梓さんと同じで少しカールされている。
長さは肩に少しつくぐらいで、大きな瞳を輝かせていた。

「え?私、『梓さん』じゃないです。本当にありがとうございました。では、急いでいるので。」

思わず見とれてしまい、後姿をずっと見つめていた。
できればもう1度会いたい・・・・。
そして話したい・・・・。
でも、もう会えない・・・。

こんな時現実を思い知らされる。
< 8 / 22 >

この作品をシェア

pagetop