異世界の花嫁


バダン


「父上!!」


「ティアス。執務室にはゆっくりと入ってくるものだぞ」


「そんなことどうだっていいです。それよりお見合いとはどういうことですか!」


「なぜ知ってるんだ?・・・そうかアレンの奴かぁ」


「なぜ知ってるかなんて関係ないです。それは事実なんですか!」


「・・・はぁ。そうだよ。事実だ。お前にお見合い話はある」


「どういうつもりですか!父上!!」


「お前はもう21だろ。そろそろ婚約者でも決めてもいい年齢だろ」


「まだ21ですよ。そんなの早過ぎます」


「はぁ〜。ティアス。お前はこのセルティア国の王子なんだぞ。王子の役目はなにも執務だけではない。大事は世継を作る事も含まれておるのだぞ。お前にはその自覚あるのか」


「それはわかってるつもりです。しかしお見合いだなんて横暴すぎます。父上だって相手は自分で見つけてたじゃないですか!」


「わしはお前の年でもう婚約してたぞ」


「それは・・・。とにかく俺はお見合いはしませんから」


「・・・わかった。今回の件は急だったしな。ただし条件がある」


「条件?」


「次のお前の誕生日までに婚約者を作れ。もし出来なかったらおとなしくお見合いをしてもらうからな」


「・・・わかりました」


「なら今回のお見合いは無しにしよう」


「はい」



バタン


扉をしめ執務室から出ていった。














< 13 / 72 >

この作品をシェア

pagetop