異世界の花嫁
バダン
「父上!!」
「ティアス。執務室にはゆっくりと入ってくるものだぞ」
「そんなことどうだっていいです。それよりお見合いとはどういうことですか!」
「なぜ知ってるんだ?・・・そうかアレンの奴かぁ」
「なぜ知ってるかなんて関係ないです。それは事実なんですか!」
「・・・はぁ。そうだよ。事実だ。お前にお見合い話はある」
「どういうつもりですか!父上!!」
「お前はもう21だろ。そろそろ婚約者でも決めてもいい年齢だろ」
「まだ21ですよ。そんなの早過ぎます」
「はぁ〜。ティアス。お前はこのセルティア国の王子なんだぞ。王子の役目はなにも執務だけではない。大事は世継を作る事も含まれておるのだぞ。お前にはその自覚あるのか」
「それはわかってるつもりです。しかしお見合いだなんて横暴すぎます。父上だって相手は自分で見つけてたじゃないですか!」
「わしはお前の年でもう婚約してたぞ」
「それは・・・。とにかく俺はお見合いはしませんから」
「・・・わかった。今回の件は急だったしな。ただし条件がある」
「条件?」
「次のお前の誕生日までに婚約者を作れ。もし出来なかったらおとなしくお見合いをしてもらうからな」
「・・・わかりました」
「なら今回のお見合いは無しにしよう」
「はい」
バタン
扉をしめ執務室から出ていった。