異世界の花嫁
「ティアス。持ってきたぞ」
バタンと言う音と共にヒューズと青みがかった黒髪の綺麗な成年が入ってきた。
「ティアス様。お呼びでしょうか」
「ああ。お前にもいてもらおうと思って。
シェイナ。こいつはカウリという」
「初めまして。カウリ=マクマベルといいます。ティアス殿下の側近でございます」
「シェイナ=エイリングです。
あの今、ティアス殿下といいませんでしたか・・?」
「ええ。言いましたが。何か?」
「ってことはお貴族様?」
「いえ。ティアス様はこの国の王子でございますよ」
「お、王子!?王子様ってこと?!」
「はい。身分的にはそうですが」
「あれ?シェイナ嬢 知らなかったのか?」
「し、知らないよ。だってヒューズさんは普通に呼び捨てで呼んでたし。確かになんか立派な部屋だとは思ってたけど・・・。
ってことはここはもしかして王宮・・ですか?」
「ああ。王宮だよ」
「う・・そ・・・・」
「おい ヒューズ。そんなことはどうでもいい。地図を寄越せ」
「ん?ああ、地図な。はいよ」
ポスっと丸めて持っていた地図をティアスへと渡した。
「シェイナ。これが私達のいる世界のすべての国が載っている地図だ。お前の言うロングバルドという国はあるか?」
「・・・わからない」
「は?」
「文字が読めない」
「・・・そうか」
「でも多分ありません」
「何故そう言える?」
「・・・私のいた世界とはまるっきし形が違いますから」
「・・そうか」