異世界の花嫁
「ティアス様。これはどういうことですか?」
「俺にもわからないからお前を呼んだんだ」
「この方は中庭に倒れておられた方ですよね?」
「ああ。そうだ。中庭みたいな王宮の内部に入りこんでいたのでどうしたもんかと思って聞いてみたんだが、俺らの知らない国から来たみたいだし、文字も読むこともできないとは・・」
「それはつまり異世界から来た・・・ということですか」
「・・・おそらく。俺も同じことを考えてた。
シェイナ お前は何があってここに来たんだ?」
「何って・・・。いつものようにお店に出て、それから花に水をあげてた時に大きな揺れがきて・・・そうだ!あの時の子は!?男の子は?」
「男の子?なんの話だ?」
「8歳くらいの男の子!私、その子が揺れで出来た亀裂に落ちそうになったのを庇ってその亀裂に落ちたの!」
「中庭にはお前しかいなかったが・・・」
「そっかぁ。無事ならいいんだけど・・・」
「シェイナ様は亀裂から落ちてこの国に来たんですか?」
「そ、そんな様付けで呼ばないでくださいよ。私はただの庶民なんですから」
「では、シェイナさんとお呼びいたしましょう。それで亀裂からこちらに?」
「た・・ぶん。落ちたとこから記憶ないですけど・・・」