異世界の花嫁
やっと笑いが収まって隣でじーっとしてるシェイナを不思議に思った。
「ん?どうした??」
「ティアス殿下って笑うんですね」
「はぁ?何言ってるんだお前」
「だって私の部屋に来てた時は表情を崩さないで淡々と要件だけを伝えにくるだけで、だから私苦手だなって思ってたんです」
「・・・・王宮の中じゃいつ、誰が何を見ているかわからないからさ。俺は王子だから模範としてしっかりしなきゃいけないんだよ。だからお前にもそういう態度をとった。
だが、悪かったな。それでお前を怖がらせてたなんて。すまなかった」
「そ、そんな!謝らないでくださいよ。ティアス殿下は悪くないんだし。私が勝手にこわがっていただけなんですから」
「ティアスでいい」
「えっ」
「殿下はいらない。お前は俺の部下でも何でもないんだ。敬称をつける必要はない」
「でも・・」
「俺がいいって言ってるから大丈夫だ」
「じゃ、じゃあ私のことも名前で呼んでください。私、お前って言われるの好きじゃないんですよ」
「シェイナ」
ドキッと優しく低いいい声で名前をよばれシェイナの胸が高鳴った。