異世界の花嫁



胸の中で泣いていたシェィナがだんだんと落ち着いてきたのが伝わってきた。


軽い胸への抵抗が感じられそっと胸からシェィナを離した。



泣いた後の残る赤い目を見てフッと目を細めおもむろに手をシェィナの頬へ添えゆっくりと唇をかさねた。

重ねられた唇をシェィナも受け入れたがその後がどうしたらいいかわからずまたティアスの胸に顔をつけたままの状態に戻った。


小さい頃からモテていたシェィナだが親の事故などで恋愛などをしている余裕などなく今のがファーストキスなのだ。


恥ずかしさから顔をあげられずどうしようかと悩んでいたシェィナを見て優しくティアスが声をかけた。


「冷えてきたな。そんな薄着じゃ風邪をひく。これでも着てろ」


そう言うと自分の身に付けていた上着を脱ぎシェィナの肩にそっとかけた。


「えっ。でもこれじゃあティアスが寒くないの?」



「俺は大丈夫だ。部屋に戻ろう。あんまり遅いんじゃ皆が心配する」



「あっ はい!」



立ち上がり歩き始めたティアスを慌てて追い掛けた。






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