異世界の花嫁
「こちらが書庫です。どうなさいますか。お一人で入られますか?」
「一人で入ってもいいの?」
「お部屋ではないので構いませんよ。夜に書庫に入っても咎める方はいらっしゃいませんし」
美しく微笑みながら答える。
「じゃあ一人で入るね。ルイアは休んでて」
「帰り道はわかりますか?」
「多分・・・。真っ直ぐで階段登ってまた真っ直ぐだよねぇ?」
「はい。多分殿下がお送りにはなってくれるとは思いますが、覚えてた方がいいですしね」
「うん。ありがとう ルイア。おやすみなさい」
ペコッと頭を下げる。
「はい。シェイナ様もお早めにおやすみなさってください。それではまた明日」
スッと流れるような動きで頭を下げると来た道を戻って行った。