異世界の花嫁
扉の前に立ちスッと息を吸いそっとドアを開けた。
目の前には何万という膨大な量が収められてるであろう本棚が列をなして並んでいた。
そっとドアを閉め、ティアスのことを探すように顔を動かし辺りを見回した。
入り口付近には姿はなく、入り組んだ奥の方へとゆっくりと歩をすすめた。
死角になっている角を曲がると背中を向け難しい本と向き合ってるティアスを見つけた。
ティアスは初めてあった時のような威厳たっぷりな姿ではなく、普通の男の人のような姿で髪をかきあげたりしながら本を見ていた。
自分の為にこんな夜遅くまで無理してくれてるという事実がいたたまれなく、同時にとても胸がときめいてしまった。