異世界の花嫁

甘い時間




月明りの綺麗な夜。



さっきルイアと歩いた廊下をティアスと手をつなぎながら歩くなんて想像もしていなかった。



チラッと顔をあげるととても端正な顔が近くにあって心臓がはねる。



最初はあんなに怖い人だと思い、苦手だと思っていたのに今では最愛の人になってしまった。



端正な顔に見とれていたら、視線を感じたのかティアスと目があってしまった。


慌てて目をそらすと「ククッ」という笑い声が聞こえてきた。




「着いたぞ」



そう声をかけられ、目の前には自分のこの世界で使っていた部屋のドアの前だった。




2人っきりで歩いた廊下はとても短く感じられ、両想いになった実感もほとんどないまま別れてしまうのは寂しく中々つないだ手も離すことが出来なかった。



中々手を離してくれないシェイナを不審に思ったのか顔をのぞきこむようにしてくる。



「どうした?」



「まだ・・まだ一緒にいたいです//」










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