ピリオド [短編小説]
人間になって…やり直す…?
…少しでも、僕は替わりたい。

「バロ様っ!!お願いがあります!!」
アランがバロ様の元へいき、ひざまついて言う。
「僕を…人間にしてください!!」
もう迷いたくないから。
失っても、またやり直せる人間に…。
苦しい事も、悲しい事もあるけど、人間は神様なんかより凄い力を持っている。
だから、僕はその力の一部にでもいいから…。
役にたちたい。
神様として無理なら…。
僕は人間として生きたい。
「もう二度と、神にはなれないのですよ…?」
それは、ティラにも、もう二度と会えないという事。
「それでも、僕はかまいません」
「俺も、人間にしてください!」
「ティラ!?」
目を見開くアランに向かって、ティラはにかっと笑う。
「俺も、駄目人間なんてもう言わせねぇような人間になりてぇからさ」
「2人共…本当に良いのか?」
アランとティラが顔を見て、
「はいっ!!」
と、同時に返事をした。
「ならば、あそこの円に立つが良い」
2人は、バロ様が差す方向に向かって歩きだし、円に立った。
「元気でな…」
そう一言告げ、2人に向かって光を放った。

ーティラ、僕は…。
ただ強がってただけなのかもしれない。

ーもっと早く外を見れば良かったと思う。

ー今度は、後悔しないように生きるよ。

ー“人間として”、僕は歩み続ける事を誓います。
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