ピリオド [短編小説]
1.「出会い」
「どうして世界に終わりは来ないのだろう」
1人の少年は悲しそうに下を見つめながら言う。
「そんなの知らねぇよ。俺より偉い方に言え」
もう1人の…中年の男性はベンチらしき場所に座りながら言う。
2人共10メートルくらい離れているのに更に小声で話すのにもかかわらず、話あっている。
“普通の人間だったら”無理な事だ。
「僕は、世界に終わりは来る…いや、世界に永遠などない。それを伝える為に命に終わり(ピリオド)を作ったのに…」
少年はうつむいてそう言った。
「…確かに、終わりは必ずある。でも、何故かは昔、“人間だった”お前が一番分かっている筈だろう?アラン」
「…“昔は”でしょ?今は違う…でしょ?ティラ」
少年ーーアランは顔を上げ、空を見上げた。
「まあ…いいんじゃねぇか?アランらしいっちゃあらしいんだからよ」
「今一内容が掴めないって言うか何て言うか…。話が噛み合ってないよ」
中年の男ーーティアは笑いながら言う。
アランは苦笑いぎみに返事をした。
「取りあえず、僕は“命を管理”してくるよ…」
そう言って座っていた場所から立ち上がる。
「…アラン」
「ん?」
「お前はこの世界に必要な人だから。むちゃはすんじゃねぇぞ?」
アランは密かに笑う。
「分かってる。それと、僕は人じゃないから…そこは間違えないでよね」

取りあえず、やれる事はやってみよう。
これが僕の、“昔のやり方”だった。
今…?今は、特に学校も通う事なんてないし、だから勉強だってしない。
やりたい事は?っていったいら即「昼寝」って答えるね。
眠いし、“夜なんか来ない”からね。
「…何しようかな」
そう呟いて空を見上げる。
辺りには雲が無く、ただ青いだけだが、どこか落ち着くから僕は好きだ。
そんな事を1人虚しく考えていた。
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