ピリオド [短編小説]

エピローグ

“あの日”から何十年の年月が流れた。
どこからか笑い声がする。
「“輝”ーー!!こっちこっち!!」
１人の少女が走っている。
「“愛梨”…速いっ!!」
後から、輝と呼ばれた少年が、送れながらも走っている。
そして、それを見つめる１人の青年は、木陰で静かに読書をしている。
これは奇跡なのだろうか。
真実は分からないまま時は流れてゆく。
生まれ、夢を見て、恋をして、青春を感じ、大人になって、子孫を作り、老いて、この世を旅立つ。
当たり前の事だと思うが、これは、とても大切な事なのだ。

「“学”おにーちゃーん!!ご本読んでないで遊ぼーよ!!」
「遊ぼーよ!!」
「分かったよ。輝、愛梨」

ーあなたの神様は存在する?しない?

ーそれは、あなた自身が分かっているはず。

ー失敗したっていい。間違えてもいい。ただ、やらないで後悔するのは、やめてください。

ーやらなければ何も始まらないのです。

ーつらくなった時は、そっと。自分の心の中にいる神様と相談してください。

[世界は何も変わっちゃいないさ。変わるのはあなた自身]

～*fin*～