ピリオド [短編小説]
「それで…。何で自殺なんかしようとしてたの?」
「ぶふっ!」
僕がそう問いかけると、愛は飲んでいたジュースを吹き出してしまった。
「だ…大丈夫…?」
汚してしまった制服を一生懸命に拭く彼女にそう言う。
「大丈夫!で、何でいきなり…?」
「何となく」
唖然とする彼女を見て、吹き出してしまった
「な、何で笑うのよ…」
「何となく…?」
「もうっ…!」
そう言って頬を膨らます彼女をみて、やはりときめいてしまう。
「色々と辛かったから…かな?」
「ふーん」
「…聞いておいてその反応とか…」
シュン…と愛はうつむく。
「ごめんごめん!…何でやめたの?」
「それって死ねって事?」
「違う違う;何でかなー…って」
「ーー君を見てたらどうでも良くなっちゃたんだ」
「えへへ。」と言って愛が笑うと、つられて僕も笑う。

すると、学校のお決まりのチャイムが鳴る。
「僕、そろそろ帰るね。先生怖いし」
そう言って立ち上がった。
「え…?何言ってるの?同じクラスじゃない」

間。

「…ええ!?」
「え…」
「知らなかった…」
「ーー君あまり学校に来てないからね~」
「と、兎に角早足で!!」
そう言って僕は彼女の手を掴んで歩き出す。
彼女の手は小さく、細く、力を入れたら折れてしまいそうだった。
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