星と望遠鏡
通ってる学校は近い。
それに東京と言っても端のほうだから、自然豊かだ。
学校は一つ橋を渡り(幅15㍍くらい。)坂を上り、周りが竹やぶの小路を抜けるとある。
この自然を纏いながら通学するのは、気持ち良くて飽きない。
川のせせらぎを聴き。
坂を上りながら朝日に挨拶して。
竹のオーケストラと足音を響かせて。
心が温かくなるのがわかる。
「気持ちいい~。なぁ誠司。」
「おぅ。リフレッシュされるなぁ~」
こんな会話も自然の一部になってりして。
「誠司とクラス一緒かなぁ~」
「ん~。どうかな?一緒だといいね。」
そろそろ見えてくるころだ。
俺達の学校は、ボロイながらも何処か懐かしくて。
胸を踊らせて校門を抜ける。
池があり、体育館があり。
それを抜けると左右に教室などがある。
だけど、曲がらずに進と。
校内の隅の方に大きな一本の樹がある。
それはとても神々しくて、どこか寂しくて懐かしい。
目が離せない。
葉の隙間から光が射す。
そんな場所で初めて君と出会ったんだ。
凜としているけど、どこか寂しそうで。
目が離せなかったんだ。