星と望遠鏡


通ってる学校は近い。

それに東京と言っても端のほうだから、自然豊かだ。


学校は一つ橋を渡り(幅15㍍くらい。)坂を上り、周りが竹やぶの小路を抜けるとある。


この自然を纏いながら通学するのは、気持ち良くて飽きない。


川のせせらぎを聴き。
坂を上りながら朝日に挨拶して。
竹のオーケストラと足音を響かせて。


心が温かくなるのがわかる。


「気持ちいい~。なぁ誠司。」


「おぅ。リフレッシュされるなぁ~」


こんな会話も自然の一部になってりして。


「誠司とクラス一緒かなぁ~」


「ん~。どうかな?一緒だといいね。」


そろそろ見えてくるころだ。


俺達の学校は、ボロイながらも何処か懐かしくて。


胸を踊らせて校門を抜ける。

池があり、体育館があり。


それを抜けると左右に教室などがある。


だけど、曲がらずに進と。




校内の隅の方に大きな一本の樹がある。

それはとても神々しくて、どこか寂しくて懐かしい。


目が離せない。


葉の隙間から光が射す。

そんな場所で初めて君と出会ったんだ。

凜としているけど、どこか寂しそうで。

目が離せなかったんだ。
< 3 / 5 >

この作品をシェア

pagetop