星と望遠鏡


「クラス見に行こうぜ。」


誠司の言葉で我に返った。


「お、おぅ。」


俺達はクラスを見に行こうと体を反転させて、この場を去った。


だけど、ちゃんと見たんだ。
あの人の胸に“星野”って書いてあるのを。


―――――――――――

「お前、やっぱすげーな。」

「ん?何が?」


突然、誠司が言う。


「ほら、周り見てみろ。」

「ん?」

「女子達の目が輝いてるぞ。」


ん~。わからん。見られているのはわるが。


「お前、容姿は完璧だからなぁ~。まさしく王子様。」

「なっ!?んなアホな。」

「イヤイヤ~。背が高くて、髪は茶色で長くてサラサラ。おまけに性格も完璧。優男でちょいH。」


ん?最後の方が気になるが。


「そんなことねぇ~よ。何処にでもいるだろ。」

「けっ。」


「!?」


「しかも関西弁。」

えぇ~それ関係あるの?

「それにホストみたいな名前。」


俺どうしようもねぇ~し。


そんなこんなで、クラス表を見つけて、覗きこんだ。


そこには-


2組

“咲柴 望”


“佐伯 誠司”


そして、




“星野 朱梨”

と載ってあった。
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