世界で一番お姫様
それから一年が経った。


明日は卒業式……。


私の能力ではかなとの志望校に受かるはずもなくて、結局地元の高校に入ることになった。


「ななみ!!!」


後ろを振り向くと、息を切らしながらかなとが勢い良く走ってきた。


「え?かなと!?」


そして抱きしめられながらキス。


「……ななみ。俺がここに帰ってくるまで待っていられる?」


そんなこと当たり前じゃん。


「うん。ずっと待ってるよ。」


そういえばコレが私とかなとのファーストキスだった。


今までに何の進展もなかった。


今ここで、みんなのいる前で。
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