・。*No Memory*。・
「どうした?」
『なんか手が届きそうで届かないって…恋みたいだなって思ったの…。』
葵は微笑んでそう言った。
「なんで?」
『近くにいるのに…遠いから…。』
切なそうに言う葵。
俺はその時胸のあたりがチクってした。
なぁ…葵?
お前の恋の相手って誰?
きっとそいつは…
俺にはぜってぇかなわねーくらい
デカくてすげぇ良いヤツなんだろうな…。
でも俺は…葵の笑顔があったらそれだけでいいよ。
俺はそれだけで幸せなんだ。