Princessの掟短編集
「うーーーッ!!百合亜ッ!!」
涙をいっぱい溜めて私に抱きつく美吏那。
そんな美吏那の背中をよしよしと撫でた。
「ゅ…りあー!!おめでどう゛」
「ほら、そろそろ放れてあげないとせっかくのドレスに染みができちゃうよ?」
美吏那でドアの方が見えなかったけど、声ですぐわかった。
その声に美吏那は慌てて私から放れてドレスをチェックし始めた。
その顔には涙の形跡なく。
「拓磨くん。」
美吏那が放れたことで視界が広がり、ドアを見ると拓磨くんはドアにもたれかかるように立っていた。
「おめでとう、百合亜ちゃん。」
そう笑って近づいてきた。