Princessの掟短編集
色とりどりの花火が空に向かって打ち上げられた。
「綺麗だね…。」
わたしの横に座った百合亜は花火に釘付け。
その横顔でさえ素敵に見えてしまう百合亜。
やっぱりわたしも叶わないよね…。
それでも…――
「…もうちょっと、頑張ってみようかな。」
「…なんか言った?」
「ううん、なんでもない。今度は普通に花火しよう!」
脇に置いてあった花火を掲げた。
「美吏那ちゃん、はい火。」
「ありがとう。」
いつか君に想いが伝わりますように…――。
気持ちを込めて花火に火を付けた。
わたしの恋も花火のように打ち上がる日を夢見て。
………………………………【完】