好きが止まらない
「先生、もう帰る?」
「大丈夫だよ、平気だって。それより、外出てみようか?」
「え?なんで?」
「こういうのは外に出たほうがきれいなんだよ」
「へえ」

私と先生は外に出た。
空気はつめたいけど、心はあたたかかった。
先生は自分の車によりかかり、座り込んだ。

「ちょっと!先生大丈夫?」
「うん。立っているのがめんどくさいだけ。気にしないで」
「いや、やっぱ帰ろう先生!」

突然腕をつかまれた。

「先生?」
「本当に大丈夫だから、大丈夫」
「なんで、そんなに私によくしてくれるの?」
「悩んでるんだろ?相談してほしいんだよ、解決してほしいんだよ」
「悩みはもう解決したんだよ」
「え?」
「先生に彼女がいないって知って」
「なんだ、そんな事だったのか」
「うん」
< 159 / 188 >

この作品をシェア

pagetop