好きが止まらない
帰りの車では、体調が悪い事を必死で隠してる先生を少し可愛いなんて思った。
でも、やっぱり先生は嘘つき。
でもさ、体は正直なんだよ。先生、知ってた?

信号で止まるたびにシートにだらりともたれて。

「大丈夫?」
「大丈夫だよ」
「嘘つかないで」
「え…?嘘なんてついてないよ」
「嘘だよ、先生。先生が嘘つきな事くらい知ってる」

先生はびっくりした顔でこっちを向いた。

「なんで?」
「大丈夫って言って大丈夫だった事、あんまりないもん」
「そうか?」
「そうだよ」

先生は静かに微笑んだ。
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