好きが止まらない

嘘つき


「ただいまあ。先生?」
「神原、助けてえ」
「はあ?遅いしい!」

私は早足で先生のいる部屋に向かう。

「なんてな!」
ドアをあけた途端、先生が目の前にいた。

「もう!何なの?先生ったら、びっくりするじゃん」
「ははっ!」
「でも、熱は測ってもらう。熱測ったら2人でプリン食べよう?」
「ああ、ありがとう」

先生は、壁にかかっていた私の大好きなコートから財布を出した。

「ありがとう」

先生の手にはお金が。

「そんな事しなくていいよ!大丈夫!」
「いやいやいやいや!」
「先生のためだもん!」
「また、なんか買って返すよ」
「いいって!」

ちょっと楽しみだけどね。
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