恋愛メロディー
「そういえば、お前入学式のときと比べて、明るくなった気がする。」

こういう事を言われると恥ずかしくなる。よく、言えるよなぁ。

「家ね、親が離婚したんだけど、入学式のときはまだ離婚したばっかりだったし。だから、今は結構元気になってきたから。ふっきれたって感じかな…。」

やっぱり、お父さんの事を想うと涙がでてきた。もぅ、ふっきれたはずなのに…。

しかも近藤のまえで泣くなんて、

すると、近藤がケータイとイヤホンを取りだして、私を抱き締めた。

びっくりしたけど、こんなこと誰にでも言えない事だから、近藤に甘えたくなった。


「大丈夫。この歌聞いて凄く元気でるから。」
といって再生した。
近藤がこんなに優しい人だったとは思わなかった。

この歌本当に良い歌だ。 誰が歌ってるんだろう。

歌が終わるころには涙も乾いていた。その間も近藤は抱き締めてくれていた。


歌がおわりイヤホンを取った。

「どうだった?」

「ありがとう。本当に良い歌だった。元気出たよ。」

「この歌、歌ってるのは俺だよ。好きなバンドのコピーだよ。」


「えっ。近藤バンドしてるんだ。」

「おぅ。ボーカルをね。」

バンドかぁ~ かっこいいだろうなぁ~
歌ってる姿見てみたいなぁ~

でも、こんなこと恥ずかしくて言えないよ…。
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