恋愛メロディー
喫茶店に入った。

「いらっしゃいませ。」
私はなるべく顔を見られないようにして入った。

久しぶりにお父さんの顔を見た。
変わってない。良かった。

「ねぇ、パパ。さくら泣いてるから、抱いてきて。」

えっ。パパ?さくらって誰?あの女の人は奥さん?再婚したの?

そして、お父さんは2歳くらいの女の子を抱いて店へと戻ってきた。

凄くびっくりした。
「パパ」

と言って笑っている女の子。お父さんも笑っている。
私の両親はそれぞれ家庭をつくっていた。

私だけは、もぅ、家族じゃないんだ。

一気に寂しさが溢れた。

急いで店を出た。

走って泣いた。

叫びながら泣いた。

私は一人だ。もぅ家族なんていない。

誰か私をたすけてよ。この寂しさから救ってよ。
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