あかねいろ【BL短編集】





「……じじくさい呼び方が気に入らない」

「あはは、そうかなぁ……?
 じゃあ何て呼ばれたいの?」


同い年とは言えど、二つも上の学年の先輩を名前呼びする事には抵抗がある。

もちろん敬語を外すこともだ。

しかしそれを彼は望んでいる。

ならば俺は、彼が喜ぶことをしたい。


「周ちゃん?周さん?周蔵?
 ………周くん?」


自分の中で彼を呼ぶのにしっくり来る呼び名だった。

彼も嫌な顔はしていない。


「周くん」

「…………」

「周くん?」

「…………………なんだ、浩介」


やっと、目が合った。

頬を赤らめてこちらを見る周くんは……




「っ!?」




俺を、掻き立てるものがあった。




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