灰姫物語
いち
ーーー暗い。くらい。クライ。

そこは一筋の光さえもない世界。
あるのは闇色の『黒』だけで それは、世
界のイロ。
ーーー聞こえない。何も…………。

静か過ぎる静寂。
そこに何の物質もないような静けさだけが過ぎる。
ーーーもう少し。あと、少しだけだ…。

ピキ ピキ ピキーーーーー

静寂は破られた。
殻のようなものにヒビが入る音が聞こえ始めたかと思うと、それは 何かが生まれるのを暗示するかのように 大きくなっていく

ピキ ピキッ バキ パキ

生命の誕生か破滅の音か。 その思いを隠そうと 音は 先ほどよりも 更に遥かに大きくなっていく



ばりっ



最後に最も大きい音が聞こえると
辺りには静寂が戻る。

もう 終わったのだろうか

あの音は 一体どこから
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