灰姫物語
闇に足を踏み出し、辺りを少し歩くと  欠片を踏む感触がした。

顔をあげ それを探す


そして “それ”は居た

その光景は自分の眼を疑ってしまうほど、儚く美しい。
こんな事が 本当に目の前に起こったとしても きっと誰も信じきれない。

“それは”暗い地面に横たわり 弱々しく呼吸をする

ひとりの 少女

そして、私の主。

姿は人間のようでも、 この人は違った

彼女に近づき 無数の糸や紐に絡まれた肢体を見る。とても 美しい。

「久しぶりだな。 お前たち」

久しぶりに 主の声を聞けた。
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