生徒会の秘蜜〜ケモノ達の誘惑〜
Ⅰ.黒狼とにぎやかな生徒会室
黒い狼と兎の出会い:來美side
「……ぅん〜」
あたしは眩しい光で目を覚ました。
……ここ、どこだったかな?
辺りを見回すために体を起こそうとして、あたしは初めて自分の状況に気付いた。
自分の手のひら、指に絡められた誰かの綺麗な指。
目の前には、綺麗な男の子の顔。
真っ黒な髪の毛が、白い肌で際立っていて、とても綺麗で……だけどちゃんと男なんだなぁって分かる顔をしている。
――――って……
「えっ///?!」
なっ、なんであたしこの人と、手繋いで寝てるの?!
「うるさいよ」
「……えっ?」
寝ていると思っていた男の子の、綺麗な形の唇が動く。
「えっ、起きて……??」
「違う。ぼくは小さな音でも目が覚める。それだけだよ」
男の子は上半身を起こすと、なぜかあたしの顔をジッと見てきた。
なんかっ、恥ずかしいっ///
でも、やっぱり顔綺麗だなぁ。
切れ長な目とか……柔らかそうな黒髪とか。
――――………
「何してるの?」
「えっ?」
「……ぼくの髪に、何かついてる?」
「あっ、違くてっ///。これはその……」
「……?」
あたしは無意識に彼の髪の毛に手を伸ばしていたみたい。
なんていったらいいかな?
"あなたの髪が柔らかそうだったから"なんて言ったら変態みたいだけど……。
ほんとにそう思ったんだよなぁ……。
「髪がすごくやわらかそうで、その……」
なっ、なんであたしの顔そんなにジッと見てるのっ?
「っ、無意識に触っちゃったみたいです///」
「……無防備すぎ」
「えっ?」
――――ドサッ
目の前にはさっきと変わらず、男の子の綺麗な顔。
その後ろに見えるのは、雲のない蒼い空。
背中に感じるのは、
……屋上のコンクリートの感触。
――――あたし、押し倒されてる?!