生徒会の秘蜜〜ケモノ達の誘惑〜
「あのっ、名前……何てゆうんですか?」
名前を聞いてなかったと思い、あたしは立ち止まる。
なぜか、手を離さずに歩きだした彼は立ち止ったあたしを振り返った。
「……蒼空」
彼は見上げたあたしの目を見ながら、名前だけを呟いた。
……あたし身長ちっちゃいから、見上げるのたいへん。
立ち上がると、目に見えて身長差が露になる。
あたしより20センチくらいおっきいよね?
……何センチくらいあるのかな??
ぼーっと考え事をしていたからか、視界から彼の姿が消えたことに気付かなかった。
「君の名前、教えてよ」
「ひゃぁ///」
さっきまで高いところから聞こえていた声が、耳元から聞こえて……あたしの肩はビクリとはね上がった。
……っ吐息が耳にかかってますっ///
「っ、來美です」
「ふぅん?」
一度耳元から離れた唇が再び近付いてくる。
――――そして
「……ラビ」
彼は甘く名前を囁いた。