生徒会の秘蜜〜ケモノ達の誘惑〜
ソラさんは時雨くんが元いた場所に戻っても、腰に回した手を放してくれない。
「俺は〜、瑠澤湊。副会長だよ。よろしくね〜」
最初からあたしの名前を知っていた男の子。
ネクタイが青いから2年生だよね。
茶色い髪に泣きボクロが目につく先輩。
口調は優しいのに、どこか掴めない雰囲気を感じる。
笑ってるのに、笑ってない……みたいな感じかな??
……自分で何を言ってるのか、分からなくなってきちゃった。
「湊先輩はこれでも副会長なんだよなぁ?すっげぇ意外だけど」
「うるさいなぁ〜。選んだのは理事長だし」
「僕は2人が生徒会にいるのが信じられませんけどね」
「うっわぁ〜、先輩に対して普通そーゆう事ゆーかなぁ〜」
また騒がしくなってきた生徒会のみんな。
「いくよ」
にぎやかなみんなを見つめていると、後ろからソラさんに声をかけられた。
「どこに……ですか?」
「いいところ」
ソラさんは笑顔でそれだけ言うと、生徒会室の中にあったらしい別室に続く扉に向かっていった。