生徒会の秘蜜〜ケモノ達の誘惑〜
「はぁ……」
この生徒会、本当に自由人ばっかり……。
蒼空が勝手に生徒会室からいなくなったことに対して、口からため息が零れる。
――――キーンコーンカーンコーン
遠くの方で小さな予鈴の音が聞こえた。
そーいえばここ、チャイム入ってないんだっけ……。
蒼空がうるさいってゆーから止めたんだっけなぁ。
「ほら〜、授業始まるからぁ教室戻ったらぁ」
蒼空達の事で昼休みが終わっちゃったな。
那智と時雨に視線だけを向けて、のんびり言葉を紡ぐ。
「会長達はずりぃよなぁ。俺教室行きたくねぇ……」
「いいから行きますよ。これも仕事の一つなんですから」
「わかってっけどさぁ」
ブツブツ文句を言っている那智を連れて、時雨は扉に向かう。
扉から出ていく間際、時雨が振り返った。
「……?なに〜?」
「副会長もちゃんと仕事してください。あと……」
まだあんのか……?
訝しげに見つめる俺に、時雨は妖しく笑って見せた。
「会長達の邪魔しちゃ駄目ですよ?」
時雨はそれだけゆうと、那智を連れて教室に戻っていった。