生徒会の秘蜜〜ケモノ達の誘惑〜
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「だからって、ここに来ないでよね!」
「別にいいじゃん?どうせここには人こねぇし」
人気の無い静かな保健室には、俺と保健医の結城綾だけがいる。
生徒会室であったことと、事情を話し終えた途端、この台詞。
綾はこの学校で俺の"本当の顔"を知っている数少ない人で……、
この学校で綾の"本当の顔"を知ってるのは俺だけだ。
「"人がいなくて、表でいれて楽だから"?」
「ん〜、そう。……これ食っていい?」
綾の話を軽く聞き流しながら、俺は戸棚からお菓子の袋を取り出した。
「あっ、あたしも食べる!」
お菓子の袋を見て、綾は顔をほころばせた。
「ったく、保健医が何してんだかなぁ」
「うっさい!」
俺がからかうようにゆうと、すぐさま綾は反抗してくる。
俺からお菓子の袋を奪い取って1人でお菓子を頬張る綾に、俺は柔らかく微笑む。
今だけは、ほんとの俺でいられる。
綾と騒がしいやり取りをするのは楽しい。
なんだかんだ言っても、ここが一番落ち着く……。