生徒会の秘蜜〜ケモノ達の誘惑〜
――――グイッ
「っ、きゃあ」
護衛達の間から伸びてきた手によって抱き寄せられた。
「ソラさん」
「來美、大丈夫だよ」
「ナイス蒼空!じゃぁ〜……來美ちゃん連れてってくれる?來美ちゃんいると、今は動きにくい」
ソラさんの脇からあたしを覗き込む湊先輩の姿が見えた。
湊先輩……?
今喋り方、変わったよね?
さっきまで笑顔だったのに、今の表情は無表情。
「時雨も來美についてった方がいいんじゃねぇ?今日はアレ持ってきてねぇだろ?」
後ろでは那智くんと時雨くんが何かを話していた。
「そうですね。今日は必要ないと思ったので……」
「じゃあ、早く行け。ここは俺達だけで十分だろうし」
「分かった。行くよ、來美」
ソラさんはあたしの背中を押すようにマンションの玄関に向かった。
でも、あたしはその場から動かなかった。
お父様は何をするか分からない人だから……。
「何なんだ、お前達は!!私たちに刃向かう意味を分かっているのか?!」
「蒼空、早くして」
湊先輩があたし達を急かした。
「仕方ないね。動かないでね、來美」
―――フワッ
ソラさんはそう言うと、あたしを抱き上げた。
「ひゃあ///」
とゆーか、
お姫様抱っこされたみたい。