生徒会の秘蜜〜ケモノ達の誘惑〜

ぼんやり考えていると、那智くんが料理を手に、あたし達の前のテーブルまで歩いてきた。

那智くんはあたしを見ると軽く笑った。

「蒼空先輩、無防備な顔。今なら勝てそうだなぁ」

不穏な事を言う那智くんに驚く。

いつも笑顔でも湊先輩とは違う、柔らかい雰囲気を感じさせる那智くんがそんな事を言うなんて……。



「無理。那智じゃ僕には勝てないよ」



突然ソラさんの声がして隣を見ると、ソラさんの目は閉じられたまま。

でも、口は動くから起きてるみたい……。

「狸寝入りで盗み聞きなんて、悪趣味だな……蒼空先輩」

「狸寝入りじゃない。君たちがうるさくて目が覚めたんだよ」

ソラさん、いつから起きてたんだろ?

さっきの話聞かれてないよねっ?!

あたしさっき、ソラさんに聞かれたら凄く恥ずかしい事を言ったような……///

「つか、起きてんなら來美によっかかってる必要無いんじゃねぇ?」

「いいんだよ、別に。來美だって僕にこうゆう事されるのいやじゃないみたいだしね?」

「っ///」

やっぱりソラさん聞いてたんだっ///

……恥ずかしいっ///



恥ずかしくて顔を赤くするあたしを見て、ソラさんは意地悪く……優しく笑った。






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