生徒会の秘蜜〜ケモノ達の誘惑〜
「今日会ったばかりで、そんなこと分かんな――――」
「好きになるのに、時間なんて関係ないんじゃない?」
確かに時間なんて関係ないのかも……。
湊先輩の言葉は的を射た事だと思う。
あたし、ソラさんのこと…………好きなのかなぁ?
「うわぁ!!」
突然湊先輩の驚いた声がしたと思ったら、考え込んでいたあたしの腰から回されていた湊先輩の腕が離ていた。
「……ソラさん??」
顔を上げると、湊先輩の襟首を掴んだソラさんの姿が目に映った。
「ラビに何してるの?湊」
すごく不機嫌そうな顔をしたソラさんは低い声で、湊先輩に話し掛ける。
「なっ、何もしてないよ〜?ただ、髪についてたゴミをとってただけだよ〜?」
湊先輩の目が泳いでる。
嘘ついてるからだと思うけど……。
湊先輩の声が震えてるように感じるのは……多分気のせいじゃないと思う。
「言い訳は聞かないよ」
バッサリ切り捨てるように言い放つと、那智くんの前に手を出した。
「アレ貸して……那智」
……あれって、なんだろ?
「あれって、あれ?!」
湊先輩はアレを理解してるみたいだけど……。
みんなのやりとりは、代名詞が多くて……よく分かんないなぁ。
「那智、絶対渡しちゃダメだよ?!あれ結構痛いんだからっ!!」
相当痛いみたいで……。
湊先輩は、那智くんに涙目で訴えるけど……、
「まぁ、決めたのは蒼空先輩だからなぁ……。悪く思わないでくださいねぇ、湊先輩」
助けてあげるきはないみたい。
那智くんは顔に苦笑を浮かべながら、鞄からみんながゆう"アレ"を取り出した。