生徒会の秘蜜〜ケモノ達の誘惑〜
狼達の秘密:蒼空side
「ん〜、眠い……」
「副会長……学校に戻ったら、ちゃんと仕事してください」
「ふぁ〜……分かってるよ」
伸びと欠伸をする湊を呆れ顔の時雨が説き伏せる。
僕はラビが住むマンションを見上げながら、さっきラビが見せた悲しそうな顔を思い出していた。
……どうしてラビはあんな悲しそうな顔をしてたんだろう??
僕は思わず考え込む。
「何々〜?蒼空はまだラビちゃん家にいたかったの〜??」
「……」
僕の思考を遮る騒がしい声が耳に届いて、僕は眉間に皺をよせる。
「湊、うるさい……」
「え〜?うるさくないよ」
睨み付ても湊は呆れるくらいの笑顔で、僕はため息をこぼした。
「副会長、うるさいですよ……。近所迷惑になります」
時雨は楽しそうな笑顔を浮かべる湊を咎めるように呟いた。
それでも変わらない湊の笑顔に今度は時雨がため息をこぼす。
「あっ!そーいえば……」
しばらくマンションから歩いたところで、那智がふと何かを思い出したような声を上げた。