生徒会の秘蜜〜ケモノ達の誘惑〜
「珍しいねぇ?蒼空が自分から依頼に参加するうえに、指示役までやるなんてさ??」
驚いた様子は微塵も見せない湊は多分僕がそういうと思ってたのかもしれない。
「俺は別に蒼空がやってもいーけど?」
湊は他の2人に視線だけで問い掛ける。
「別に蒼空先輩でもいぃんじゃねぇ??時雨もいぃだろ、別に」
「意外ではありますが、別にかまいません」
「……」
"意外"って言葉が少し気に障ったけど、今はながしておく事にした。
「それじゃぁ、そろそろ帰ろっか??俺眠いし」
湊の一言でマンション前で止まっていた足を、学園に向かわせ始める。
「……仕事してから寝てくださいね、副会長」
「え〜。明日でいぃじゃん」
「駄目です」
「……」
再び始まった騒がしいやり取りを遠くで聞きながら、僕はマンションを見上げる。
今日の事を思い出すと、思わず口元に微笑が浮かぶ。
「おやすみ、ラビ――…」
小さな僕の呟きは闇に消え、それと共に僕も学園に向かって歩き始めた。