生徒会の秘蜜〜ケモノ達の誘惑〜




――――ガチャ




「行って来ます……」

部屋の扉を開き、誰もいない部屋に向かって挨拶しても当然返事は無い。

いつもの事なのに今日は朝から何をしても寂しい。

早く人がいるところに行こうと思い、足を速める。




「よぅ、ラビ」




「おはようございます、ラビさん」




「……」

早く学園に向かおうと、マンションから外に出て向きを変えてすぐ……。

昨日聞いたばかりの声が聞こえて、声のするほうを見ると那智くんと時雨くんが笑顔で佇んでいた。

「え、と……おはよう??」

……なんでふたりがここにいるんだろ?

まだ学園に行くには早い時間だと思うし、通りかかったってゆうよりは待ってたような……??

驚きで目を見開いてふたりを見たまま、とりあえず挨拶だけすると那智くんは苦笑いを浮かべた。

「なんで最後に"?"が付くんだよ?」

「だ、って……何でふたりがここにいるのかなぁ、って思って……」

「あ〜……」

那智くんに向かって小さく首を傾げると、那智くんは襟足の髪をいじりながら視線をそらしてしまった。






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