白い鼓動灰色の微熱
両親は、どこがどう痛いのかが分からずに、慌てふためいていたが、帰ってきた彩世の腕を見て、納得したようだった。

『変わりに泣くんじゃない』
 
父は、言って、彩人のなんの傷跡もないつるりとした腕を軽く叩いた。
 
その瞬間、彩世は大声を上げて泣き出した。

彩世が思い出して思わずニンマリしていると、

「何?」

と、清香が覗き込んだ。

何ともいえないキラキラしたオーラを纏っている。
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