白い鼓動灰色の微熱
偏食で少食のクセに歌う体力のある彩人。

それに、いくら食べても、太らない、逆に、まだ食べる量が足りないのかすぐにスタミナ切れになる彩世。

これはもう、大事な栄養素はすべて、彩人に流れているんだとしか思えない。
 
現に、今、彩世は物凄くのどの渇きを覚えていた。
 
清香に制されるよりも前に、彼女の秘蔵のスポーツドリンクを取り、プルタブをひきあけた。

「ああっ!!それ、彩人のなのに」
 
彩世はそれを一気に半分ほど飲むと、

「エネルギーチャージ。今、彩人の喉も潤ったはずだよ」
 
変わりに、彩世の喉は、今水分を補給したのがウソのように乾いていた。 

彩世は、缶ジュースが置かれてあった場所に座った。

「何で中に入れてもらわないの?彩人が嫌がるの?」
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