白い鼓動灰色の微熱
うちに呼んでどうするつもりだ?
 
彩世の頭に自分が咲にしたことが甦った。
 
駄目だ。
 
清香には手を出したくない。

「ああ、でも、彩人うちのこと好きじゃないから無理かも」

「それなら彩人に内緒で行くわ。いいでしょ?」
 
彩世は言葉に詰まった。
 
まさか、こんな展開になるとは思ってなかったのだ。
 
穏やかだった鼓動が速度を上げる。

清香を家に呼んではいけない。

頭の中で、理性が言う。
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