白い鼓動灰色の微熱
殺人鬼
ぐったりと横になったこずえの首筋に、アイスピックを付き立てた。
こずえは一瞬体を硬直させて、そして再び床にへばりつくようにぐったりとなった。
あっけなかった。
こんなことで殺人を犯してしまうなんて。
彩世にはもう自分が分からなかった。
重いこずえの体を抱きかかえながら、川岸へと続く庭の端までヨロヨロと歩いた。
それほどに、こずえが重かったわけではない。
彩世の中で沸いていた血がおさまり、平常心を取り戻したのだ。