白い鼓動灰色の微熱
その抵抗を押し殺して、平気なフリをして口をつける。

だから、この潔癖的なところは誰にもバレていないと思っていた。
 
それに、なぜか清香や彩世の飲んだものは全く平気なのだ。
 
ぬるくなったスポーツ飲料を一気に大量に流し込む。
 
冷たい塊が、喉を潤して落ちてゆく。
 
そういえば、歌ってる最中に一度、こんな感覚があったな。
 
彩人は思った。
 
きっと、彩世がこれを飲んだ瞬間だったんだ。
 
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