白い鼓動灰色の微熱
純粋さとキラキラしたオーラを纏った可愛い彼女。
 
彩世には取られたくないと思った。
 
彩世が駄目な以上、他の誰かであっても駄目だってことだ。
 
彩人は清香の手を取ると立ち上がって歩き出した。
 
冷たい指が、彩人の手に絡みついてくる。

「彩世には近づかないこと。分かったね?」
 
言うと、清香は一瞬にっと笑いかけて、それを押し殺した。

「わかった」
 
今の表情が何なのか、気になるけれど。
 
とりあえずあまりひつこくしたくなかったので、黙っていることにした
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