白い鼓動灰色の微熱
「手首の方はどうなんだ?」

「何か、儀式的な要素が強いでしょう。悪魔教的な何か、ですかね」

「どうして三体目だけ、手首が付いてるんだ?」

「何かの理由で、出来なかった。それか、切り取る儀式を必要としなかった」

「三人の中で、何が彼女だけ違ったんだ?」

清水は黙った。
 
まだ清水にもそこまで分からなかった。
 
大塚刑事は露骨にニンマリと笑った。

「ほら、説明できないだろう。儀式でも悪魔教でもなんでもないんだ。ただ、欲望のままに誰かを殺したくてたまらない人間の犯行だ」

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